自烈亭 ゝ助 じれってい ちょんすけ 何逸亭 やん泥 なにいってい やんでい
小市民35年、毎回会長のガンバローコールで始まり、三本締めで終わる。今年も気力、体力は充分。日にちと場所さえ覚えていれば、きっと参加してくださるはずだ。ただリズム感にやや衰えがみられるようで、三本締めが時々三々七拍子になることがある。 ふとした病で闘病を余儀なくされた、「何とか小市民寄席には出演したいな、でも体力的に大ネタは無理だから、やり慣れた簡単なネタにしようかな。それでも久し振りだから、間違えるかもしれないけどみなさんごめんなさいね、闘病も筆の誤りってことで。」
髪家 三代 かみや さんだい 成田家 紫蝶 なりたや しちょう
昨年から小市民のお稽古場として、三代さんの豪邸の2階を拝借している。深夜に及ぶバカ騒ぎに、快くお宅を使わせてくれる奥様にメンバー一同心から、最大級の感謝の気持ちを抱いている。ついでに三代さんにも少しだけ感謝している。 時々宝塚用語が出てしまう、「今年もトップとしての出演を希望するよ」「えっ本当ですか?」「勿論さ、立派にトップの責任を果たしてみせるよ」皆、我が耳を疑った、あの紫蝶さんがトップで出演って、前座ってこと?もちろん勘違いでした。
槍太家 一撥 やりたや いっぱつ 成田家 虚生 なりたや きゃしょう
膝が痛くて十一秒台で走れなくなった、と嘆く酎さん。百メートル走かと思えば尿意を感じてからトイレまでの距離らしい。膝より膀胱が心配だが、そんな彼を猛ダッシュさせるのは女性の後姿。追いつく頃には意識が朦朧として誰でも美人に見え、激しい動悸で恋のときめきを疑似体験できるそうだ。 彼のデザイン事務所で働く優秀なスタッフたちは【定時上がり】という言葉の意味を知らないと噂されている。常に労いの気持ちを忘れず、時には自らコーヒーを淹れたりするが、必ずミルクと砂糖は入れさせる。かなり【ブラック】という言葉には敏感なようだ。
弾家 六区 はずみや ろっく 小呂比家 念挫 ころびや ねんざ
還暦を期に自分探しの旅へ。「傘がないで下さい」という謎のメールが「さがさないでください」の変換ミスだったことに気づく間もなく「新しい自分み〜っけ♪」と帰ってきた。「これからは中性の時代・・・ミポリンの旦那が言ってたの」それって今まで通りじゃん、とかツッコむ気にもなれない。 傘を回して三十一年。老後は太神楽で小遣い稼ぎの予定だったが体力が衰えてきた。「落語はいいな、座って出来て」とはいえネタを覚えようにも記憶力だって衰えている。「人生の半分以上を太神楽に捧げてきた」と口では言うが、本当は「太神楽で棒にふった」んじゃないかと思い始めている。
駒久家 南朝 こまくや なんちょう 鶴橋 減滅渡 つるはし へるめっと
蒲郡で耳鼻科医を営む彼は、天狗連の集まりには豊橋まで出向いてくる。そして帰りには、ロックさんを助手席に乗せて帰ることが多い。道々ロックさんの語るアツい落語論を聞かされる彼は、耳という器官の持つ重要さと不幸を同時に実感しているそうだ。 毎日高座で飛び回る彼だが、その余暇に見る映画は、意外にもホラー映画の【ゾンビ物】が好きらしい。その理由を尋ねると『結婚は人生の墓場ゆうやろ?ワシもな、墓場から二度よみがえってきてんねん』そう言いながら三度目の結婚生活を謳歌している。
微笑亭 さん太 ほほえみてい さんた 那古家 攻 なごや こう
今年も快進撃、各種入賞は勿論、「策伝祭」の審査員まで務める多忙ぶり。そんなこんなで、連日顔を合わせることになった文枝師匠からは「また君かいな」と煙たがれ、さらに表彰式で「彼は名古屋のラーメン屋さんで」と間違った個人情報まで暴露されてしまった。 来春の天狗連新春落語会が決定した時、一番興奮していたのが彼だった。お正月なんだから安物の単衣の着物はないでしょ、やっぱり袷で新調してもらわないと……天狗連メンバーの経済力をすっかり無視して、20枚程当てにしている。
弾家 喜苦 はずみや きっく 橘亭 郵便箱 きってい ぽすと
若手と呼ばれて十数年。四〇歳になったが、新人が定着しない天狗連においては未だにペーペー扱いの彼。「このまま高齢化が進むと豊橋落語天狗連じゃなくて豊橋介護天狗連になっちゃいますよ」。そういう不用意な一言が出番や待ち時間に影響すると気づかない限り、まだまだ若造なのである。 郵便局員である彼は職業柄【個人情報】についてはうるさい。『個人情報が漏れないよう、天狗連の皆さんも気をつけてください』という注意喚起のメールに必ず、愛娘のベストショットが添付されている。娘さんは父親を相手取り、訴訟準備を進めているらしい。
寿司家 銀司 すしや ぎんじ
日夜高座に上がり続ける彼。古典落語に、下手の横好き、自己満足な芸の旦那がお客さんたちに迷惑をかける『寝床』という噺があるが、今度彼がそのネタに挑戦するという噂が。きっと迫真の演技で、さぞやリアルな『寝床』が聞ける事であろう。
福々亭 のゝ字  長々亭 馬笑  ふくふくてい ののじ  ながながてい ばしょう 
アルゼンチン・タンゴの哀愁と華麗さに魅せられたのゝ字。それに引きずられてタンゴを始めた馬笑。今では、すっかり馬笑の方がはまっている。の「馬笑さん、近頃、ファッションにうるさくなったわね。」馬「え、そ、そうですか。」と、目が泳ぐ。の「なんで、ダイエーに買い物行くのに、そんな光物の黒のシャツに黒いズボンなのよ?」馬「いや、今度のミロンガ(ダンスパーティ)にどうかなと思って、試にね。」の「何言ってんのよ、近所のダイエーよ、きまり悪いわ。それに、小市民寄席も近いってのに。馬笑(場所)をわきまなさい。」いつものように、仮面夫婦の夜はふける。
夢見亭 初音 ゆめみてい はつね 咲多家 つぼみ さきたや つぼみ
「地域猫」活動が生活の中心になっている初音さん。ご主人は元々猫嫌いだったそうだが、今では公園で拾ったさび猫を「さっちゃん」と名づけ、話しかけながら一緒に寝ているという。「なんだか微笑ましくて」と語る彼女だが、その話を聞いて「洗脳」という言葉が頭をよぎったのはなぜなんだろう。 職場の人間関係の構築はやはり「飲みにケーション」よね。若いころから信念を持って頑張った彼女、今では多くの部下を従える立場に。ただ最近の若者はあまりこの手のお付き合いは好まないようで、ただ無駄に酒だけ強くなってしまった。
弾家 呈茶 はずみや てぃーちゃ 夢見亭 鈴音 ゆめみてい すずね
プチダイエットに成功したとか、「そう、くびれが出来たんだから!やっぱり女は美しくありたい訳よ。そんな彼女が毎年やっているプロフィール写真の偽装、いや修正に比べたら誤差みたいなものでしょう。でも今年は頬のラインの修正が楽だったようだ。 ロビーの二胡演奏も多分、約10周年、豊川と名古屋に二胡教室を持つというから、すっかりプロの腕前だ。生徒さん達に言っている。「二胡はね、コツコツ努力して一歩一歩ずつしか進歩しないの。昔から言うでしょ、三歩進んで二胡下がる。」
白紅亭 和音 はっこうてい わいん 池乃家 紅笛 いけのや ぐっぴー
独り言が増えた。「いいお天気!」「(猫に)どこから来たの?」「(雀に)あら久しぶり」など、思ったことがそのまま口に出る思考の横モレ状態に悩んでいるが、先日通りすがりのお婆さんが話しかけられたと勘違いして相槌を打ってくれた。なんだかありがたい気持ちになった。 昨年、パンフレット紙面にて離婚を発表し、メンバーを驚かせた彼女。「去年を凌ぐサプライズは再婚しかない!」と息巻いていたが、仕事や子育てに追われ婚活するヒマがない。「まあ二回目だし、そう焦らなくてもね」余裕を感じさせる言葉に、長きに渡る婚活が未だ実らる○玉が舌打ちしていた。
望々亭 みるく もうもうてい みるく 成田家 半玉 なりたや はんぎょく
大好きな野球選手に会うため。アメリカ行きを夢見る日々。「彼ったら突然のトレードでミルウォーキーからカンザスシティへ移っちゃたの。どこなんだろう、カンザスシティ・・・アメリカって広いな〜」と地図を広げ、熱心にアフリカ大陸を眺めている彼女はいったい何処へ行こうとしているのだろう。 半玉って幾つだったっけ?若く見えるよね?確か喜苦や郵便箱よりは年下だったよね?でも天狗連にもう10年以上いるよね?うさぎよりはかなり年上でしょう?でも半玉のお母さんって若いよね?こうして天狗連の女性たちは年齢不詳になっていく。
弾家 うさぎ はずみや うさぎ 、 
昨年はお腹の我が子とともに出演、今年はその我が子も一緒に楽屋入りするらしい。だが、その無垢な乳児の横で親父どもがビールを喰らい、差し入れの寿司を奪い合い、女装した弾家ロックが網タイツにはき替える。やっぱり楽屋入りはやめたらしい。

 写真家  けんちゃん