自烈亭 ゝ助 じれってい ちょんすけ 髪家 三代 かみや さんだい
近年寄席の出番は血圧が上がるからと辞退されている。寄席のお稽古も暗いから、眠いからと大抵欠席されている、大丈夫?それでも寄席の当日はにこやかに現れて、楽屋でビール飲んでいる。やれやれひと安心。そんな会長が私たちは大好きです。 天狗連の財務、広報を取り仕切る彼のもとには、寄席が近づくと問い合わせの電話が引っ切り無し。とても家業の床屋などやっていられる状態ではない、かといってチケット代を着服するわけにもいかずこの時期、小林理容館は整髪苦に陥っている。
成田家 紫蝶 なりたや しちょう 槍太家 一撥 やりたや いっぱつ
新春寄席、トリの「芝浜」は重篤な胃腸炎を押しての熱演でした。公表すれば一段と人気も上がるでしょうに、奥ゆかしい彼は話そうとしない。「HPとか誰かのブログにでものせましょうか」「よそう、また有名になるといけねえ」 ダンディーと言えば聞こえはいいが、要は年寄り。病院のお世話になることも多い。「最近のナースは変わったね。網タイツ履いてないんだもん」相方の女装を見慣れた目には看護士さんの制服が物足りないらしい。早く健康と常識を取り戻して欲しい。
成田家 虚生 なりたや きゃしょう 弾家 六区 はずみや ろっく
天狗連内では、いつも一言多い【方言キャラ】で知られている彼だが、三河弁落語は大爆笑の大人気。ただ各方面から依頼を受けても、豊橋市内限定でしか通じないというのが致命的な欠点である。方言キャラの彼が、方言でも苦しんでいる。 女装を封印する、と宣言したのは数年前。「ごめんなさい、もうしません。女装なんて…もうしませんとは申しません!」そういえば某病院にも怪しげなナースが出没するとかしないとか。六区さんの肩書き「女装家」になる日も近い。
小呂比家 念挫 ころびや ねんざ 何逸亭 長久 なにいってい ちょうく
今年3月で定年を迎え、時間には余裕ができたが、太神楽の営業も少なくなってお金の余裕がなくなった。定年退職して芸も”退色”、なんてことにならないように毛を引き抜いて自分をハゲ増し、じゃない、気を引き締めて自分を励ましている。 ご存知でしょうか?喜苦の前が攻、その前の初代、太神楽念挫の相方が彼なのです。このたび十数年ぶりの小市民寄席、しかも落語で。なぜ、今?誰も知りません。十数年何してたの?誰も知りません。復帰の経緯は?別に誰も興味ありません。
駒久家 南朝 こまくや なんちょう 鶴橋 減滅渡 つるはし へるめっと
天狗連の健康管理を一手に引き受けている南朝先生。集まりに顔を出す度に『最近、血圧が高くて』『膝が痛いんだけどね』『落語がウケないんだけど』ここぞとばかりのタダの健康相談に、彼の健康が一番悪化している事は誰も気づいてない。 彼は笑福亭仁鶴師匠に弟子入りしていた、元プロの噺家。実力も本格的にという、いわば【三ツ星落語】『ワシは仁鶴一門の看板を背負ってやってるさかいな〜』そう呟く彼は星も三つだが、婚姻届も三回書いているという稀有な存在である。
微笑亭 さん太 ほほえみてい さんた 那古家 攻 なごや こう
コントの台本、広告のコピー、ロビー展示のコメント等々、彼の溢れる才能に至る所で接することができる。小市民寄席はさながら彼の個展会場のようなものである。その上落語の出番では、古典ばかりか新作まで手掛けている。 高級に見える着物を皆彼から購入している、仕事柄出張は京都をはじめ古い街が多い。先日も金沢で美味しいものを食べすぎてお腹の周りが気になりだした。でもお腹は出ていた方が着物には似合うし…金沢で腹囲を気にするメタボ予備軍である。
弾家 喜苦 はずみや きっく 橘亭 郵便箱 きってい ぽすと
転職という人生の大きな転機を迎えた。「本当に円満退職だったんで。心配されるようなことは何もないいんで」そう言われるほど、何かあったのではとワクワクするのが人情。もっともヘルさんによれば人生の転機は三回ぐらいまで大丈夫らしい。 キャリアを重ね実力を蓄え、もういつトリを取っても大丈夫、メンバー皆が認めている。ただ彼はギターが弾ける事が判明。音楽ネタが少ない昨今「来年あたりギター漫談なんて面白いよね」嗚呼またトリから一歩遠ざかってしまった。
寿司家 銀司 すしや ぎんじ
日々落語の稽古に余念がない彼「落語を聞いて寝てる人がいたりするけど、うまい落語じゃないと、聞いていて寝られないんだってね。という事は、私の落語はうまいって事なんだよね〜」嬉しそうに語る彼とは、誰も目を合わせようとしない。
福々亭 のゝ字  長々亭 馬笑  ふくふくてい ののじ  ながながてい ばしょう 
問われて名乗るもおこがましいが 月は武蔵野江戸育ち幼児の折から踊りに染まり やん泥兄貴に誘われて天狗の朋輩あだ桜 どうで終いは旅枕 いっそこの身の散り際まで 踊り狂ってはてる覚悟 情け無用の莫連のゝ字 さてその次に控えしは(長いので割愛)昨日は東今日は西居所定めぬ俳聖のお名前騙りの面長馬笑
夢見亭 初音 ゆめみてい はつね 咲多家 つぼみ さきたや つぼみ
野良猫を増やさない活動団体の代表になった。先日は日帰りで青森まで事情のある猫を引き取りに行ったが、駅から一歩も出てないのでどんな所かわからずじまい。猫のため全国を飛び回る股旅(マタタビ)の初音さん、ますます猫に好かれそうだ。 開演前のアナウンス、彼女の美声が名物になっている。ただこの時期イネ科花粉のアレルギーのため声が枯れていることが時々あるという。そればかりか緊張のあまりビール飲みすぎて、ろれつが回らなくなることもしばしばあるという。
弾家 呈茶 はずみや てぃーちゃ 夢見亭 鈴音 ゆめみてい すずね
最近はもっぱらワインかしら。一番のお気に入りはお洒落にシャルドネの白。でもゴージャスにカベルネの赤も良いわね。マッサン見てたら大麦の琥珀色も捨てがたくなっちゃたし、ついでに山田錦の透明も…結局何でも良いということらしい。 彼女の率いる、二胡軍団、ロビーコンサートもすっかりお馴染み。皆様お気づきでしょうか?毎回一番縁起のいい方角で、一番縁起のいい曲を演奏しています。なんたって彼女たちは、肩に絃を担いでいますから。
白紅亭 和音 はっこうてい わいん 池乃家 紅笛 いけのや ぐっぴー
思うところあって古い写真や書簡を整理していたら、十八歳の頃のラブラブな交換日記をみつけた。ほんの小さな出来事に喜び、涙し、恋に浮かれた青春の日々。あの頃の自分に会えたなら「目を覚ませ。この恋の余命は半年」と教えてあげたい。 今年、長女が高校生に。「頑張って公立に受かるから!」という言葉にほだされ色々と投資したが、直前で志望校を愛工大名電に変えられ「公立入る入る詐欺にあった」と嘆く。吹奏楽部に入り甲子園を目指すという娘の笛に踊らされちゃったのね。
望々亭 みるく もうもうてい みるく 成田家 半玉 なりたや はんぎょく
大好きな野球選手がメジャーリーグに行っても、変わらず日本のプロ野球を愛し続け、周囲がジャニーズやK-POPのライブで美少年を堪能するなか、目にする男といえば野球選手か落語家だけ。そんな彼女は高座のことをマウンドと呼んでいる。 先日、久しぶりで月例寄席に出演、落語を演じた。「コントと違って落語って、すべての状況を自分一人で完結できる、これが魅力よね」確かにその通りだが、その考え方を貴女の人生に当てはめるのは危うい、やはりもう一人登場人物をみつめなきゃ。
弾家 うさぎ はずみや うさぎ 笑顔亭 ふりかけ   にっこりてい ふりかけ
寄席のお稽古、皆ビール等持ち寄るのだが、最近彼女が自家製の夏野菜を差し入れてくれる。年を取って妙に健康志向になった親父共が喜々としてビニール袋に小松菜に新玉葱を詰めて帰る。それを彼女はにこやかに観音様の様に見守っている。  『一度くらいなら大丈夫』最初は軽い気持ちで天狗連の寄席に手を出した彼女。二度、三度と通ううちに依存症の兆候が出始め、ついには小市民寄席の舞台まで手を出してしまった…こうしてまた一人、天狗連の犠牲者が増えていくのだった。

 写真家  けんちゃん